ZenFone 2ではそのLTEの対応Bandの特質上docomo、au、Softbank/Y!mobileの通信網において2つ以上の広範囲な周波数帯域に対応していて、特にキャリア側の規制や特殊すぎる条件が重ならければ、日本で通信事業を行う会社ではUQ WiMAX以外は通信できると考えて良い周波数対応になっています。
というわけで、スペックを見る限りではキャリアの全てのLTEデータ通信への接続が可能ではあるのですが、実際にそれが出来るかどうかは、たとえSIMフリー端末といえども、キャリアとの関係があるために未知数です。そこで今回はZenFone 2で実際に通信が可能なモバイル回線について、接続が可能な回線とどのように通信までの設定を行えばいいのかをまとめてみたいと思います。
比較的簡単に繋がる
docomo系MVNO
docomo回線を使った各社のMVNOは、SIMカードをZenFone 2に入れるとその時点でAPNが固定されているMVNOのものはすべて一覧として出てきます。ですので、この中から自分の使っているMVNOのAPNを選べば、それだけですぐに通信を行うことが出来る非常に簡単なやり方になっています。
一方でMVNOの中でも接続コースとの絡みでAPNが個別に設定されているもの、例えばぷららモバイルLTEのようなMVNOは、個別にそのIDとパスワードの入力が必要なので、自力でAPNの入力が必要になります。
なお、このZenFone 2ではNexus5にあるようなAPNが沢山あるとLTEを掴まなくなる「APNサーチ問題」は今のところ発生していません。
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Y!mobile
ZenFone 2発表時に提携関係にあるとされていたY!mobileのSIMカードも本体にいれると同時にAPNが出てきます。基本はそれを選択すれば通信は可能です。
ですがY!mobileでは通信タイプに複数のものがあり、その内の一つのタイプにしか対応していません。具体的な名前を出せば、STREAM S 302HWなどのSIMカードはZenFone 2に出てくるAPNでは通信を行うことは出来ないという点に注意してください。
別の契約が必要
docomo純正の回線
docomo系のMVNOではなく、docomoそのものの回線を使って通信をしたい人もいるでしょうが、そのままの契約ではdocomoの純正回線を利用することは不可能です。何故ならばdocomoの回線は通常spモードというISP契約で通信しているのですが、このspモードはAPNも公開されていませんし、docomo以外のスマートフォンでは接続できないようになっています。
それではどうすればいいのかというと、docomoの契約にspモードではなくmoperaという接続サービスを契約すればそのISPを使ってZenFone 2でも通信できるようになります。moperaの契約はmy docomoや151から契約回線にmoperaオプションを追加すればこのサービスを使うことが出来ます。このmoperaを利用することでようやくdocomo回線を使ってZenFone 2での通信がはじまります。
手動入力が必要
UQ mobile
au系MVNOのUQ mobileにおいても、通信が可能になっています。LTEはBand 1、Band18が対応しているので、2つだけのLTE Bandとはいえ広範囲に使うことが出来ます。Band18はauのプラチナバンドになるため、これを掴めるだけでかなりエリアの問題は解消するでしょう。Band28にも対応していますが、このBandはようやく4月ごろに基地局を整備し始めたレベルなので、今後1年ぐらいは無縁の存在になるため気にしなくていいです。
UQ mobileでももちろん利用できますが、通信のためのAPN設定は全て手動でやらなければいけません。別に難しくも何ともないのですが、他のMVNOなどに比べると面倒ではあります。ただ一度設定してしまえばそれっきりですので、問題になるようなことはないでしょう。
通話及びSMSはauの3G回線に対して何らかの対応をしていないと出来ないため、LTE側は合致しても3G側でノーサポートのZenFone 2ではこれらの機能は使えません。
mineo
mineoでもUQ mobileと同じ仕様になっており、データ通信が使えてSMSや通話は使えません。APNもmineoにあったものを使わなければいけません。
なおこれらの回線に最初繋ぐときは、ちょっと接続ができていない状態になりやすくなっています。これを回復するには一旦機内モードなどでモバイルデータ通信を切ってから再度接続をすることで、接続が安定するのでこれをまず試してください。
Softbank
SoftbankでもAPN設定をすればZenFone 2で使えます。こちらは3Gの規格が同じであるため、auのMVNOと違って通話もすることが出来ます。
ただしSoftbankのAPNは契約する形態によってAPNが変わるので、そこを注意しないと使えません。
SoftbankのAPNの種類はこれは一例ですが、「iPhone 契約SIM」「Android 契約SIM」「シンプルタイプ4G 契約SIM」「4G-S契約SIM」などがスマートフォン向けに存在しており、今後更にこの種類が増えていく可能性があります。
Softbankの回線をZenFone 2で使いたい場合には、使おうとしている回線がどのAPNに対応しているのかを調べておく必要があります。
通信不可能
auのLTE NET、LTE NET for DATA
auのLTEデータ回線はUQ mobileやmineoで通信接続が可能になっているため、その元であるauの回線を使えばこちらもZenFone 2で通信が可能になる、と普通は考えるかと思います。
しかし実際にはこの回線をZenFone 2およびSIMフリースマホでは利用できません。音声通話だけでなくデータプランでさえもです。
その理由はauのこれらの回線には「IMEIロック」と呼ばれる、auから発売されたスマートフォン以外では通信も通話も出来ないという制限がかけられているからです。
このIMEIロック/IMEI規制によって、auで契約したスマホ回線やタブレット回線は全てZenFone 2及びSIMフリースマホでの通信は不可能になっています。
以上がZenFone 2で使える回線について、実際にどのようにすれば使えるようになるかということと、au回線では使えなくなってしまうその理由になります。ZenFone 2を各SIMカードで使う場合には、以上の内容について把握しておけば、通信がうまく設定できなかった時でも解決を図れることが出来ます。
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