Acerから発売された最新SIMフリースマホへの評価が予想以上に高いものになっていて、SIMフリー市場を賑わせています。
Acerは一度BOOKOFFの格安スマホとして1万円のローエンドモデルスマホを投入し、その質の低さに酷評とは言わないまでも多くのガジェットオタク達を失望させましたが、今回新たに巻き返しのために投入するスマホは、基本性能を十分に網羅したミッドレンジのモデルとなり、本気で日本市場に参入しようという意欲が見られます。
投入するスマホはAcer Liquid Z530というモデルで、3万円以下のSIMフリー激戦区に投入されます。この激戦区ではよほどのネームバリューや特徴ある機能・操作性がすぐに淘汰されてしまう価格帯ですが、Acerの投入するZ530はこの中でも十二分に戦えるであろう性能を有しているのを感じさせます。
今回は実機を触ってみて受けた印象と、実際のユーザーの評判を集めてみてこのliquid Z530のポテンシャルというものを確認してみたいと思います。
スペックと価格
まずLiquid Z530のスペックシートおよび価格情報です。
Android OS Ver | 5.1 |
CPU | MTK 6735 |
ディスプレイ | 1280×720 5インチIPS |
RAM | 2GB |
ROM | 16GB |
カメラ画質 | 800万画素 |
電池容量 | 2420mAh |
重量 | 145g |
価格は平均26,000円(税込み)
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価格以上のサクサク度
スペックだけを見れば特に珍しくもなんともない3万円以下のSIMフリースマホの中に埋もれてしまうものではありますが、実際にこのスマホを触ってみると、3万円以下、しかも実売25000円というレベルの価格帯としては異彩を放つ快適な操作性を感じることが出来ます。
低価格帯特有のサクサク感のなさや引っ掛かり・もっさり動作といったものを(価格帯の割に)感じません。ある程度の文字入力ソフトならお世辞ではなくiPhone以上に快適に入力することも可能になっています。
操作性の快適さはZenFoneやHuawei機の上位モデルに匹敵するものになっており、とても25000円のスマホとは思えません。これなら格安スマホ・SIMフリースマホの入門機として購入しやすいだけでなく、長期間に渡って普通に使い続けることが可能でしょう。MediaTekのCPUをうまくチューニングしています(このCPUはFREETELの雅と同じものです)。
Nexus 5(2013)に匹敵する、とは言い過ぎかもしれませんが、それぐらい動きが滑らかで「格安」なSIMフリー端末の底力を見せつけています。少なくともBOOKOFFで発売したZ200での失敗は十分に挽回できるスマホになっています。
LTE対応周波数も充実
スペックの中でこの価格帯にしては珍しく充実した点に、対応周波数・LTE Bandの日本向け対応がしっかりなされているというのが挙げられます。
LTE Band含む対応周波数は、SIMフリー端末の市場を引っ張っているASUSがまともな一方、Huaweiは完全にサボって手を抜いている印象がありますが、AcerはASUSのように日本、特にMVNO市場が発達したdocomo網のLTE Bandにしっかりと対応しています。
しかも2015年から整備の始まったLTE Band28へも対応しており、長期的な視座にたった設計思想を持っていることが読み取れます。このZ530の成功・失敗如何によっては、本気度の高いAcerのSIMフリースマホの投入が続くであろう予感がします。
難点はカメラ
他にも軽さやディスプレイの綺麗さなど、3万円以下のスマホの中では品質へのこだわりがあるのがうかがえます。低価格帯のSIMフリースマホの中でも選んで後悔しない機種であることは間違いないでしょう。ただやはり細部では価格相応、もしくはそれ以下のクオリティを示す点もあります。その筆頭がカメラです。
この価格帯では仕方ない部分もありますが、カメラ機能にも力を入れ始めたメーカーが増える中では劣って見える部分が多数あります。特に室内ではホワイトバランスや発色のバランスがうまく調整できていない印象で、料理や小物などの写真を撮った時に実際以上に見栄えが悪くなるかもしれません。
ディスプレイがHD画質なのに非常に発色も視野角も彩度の調整も良いにも関わらず、カメラはそんなディスプレイを備えていても良い見栄えにはならないという致命的なものになっています。SNSで写真を良く上げる、それも室内写真をよく上げるという場合には、このスマホはかなり不向きな存在でしょう。
ベゼルが無駄に広い
もう一つデメリット的に気になる点は、本体が大きいということです。5インチディスプレイということで仕方ない部分もありますが、ナビゲーションキーがソフトウェア上に表示されるなどの仕様でありながら、無駄にベゼルが広くて本体が大きくなっています。
これはデザイン的にとてもチープに見えて残念な点です。ZenFoneシリーズにも感じるのですが、このベゼルの無駄に広い点はやはりハイエンドモデルと比べるとカッコよさという点で劣ってしまいます。
それ以外の利用者の評価・評判・レビュー
スマホをacer liquid z530 に変えた!普通のandroidだけどキャリアアプリ入ってないし快適〜
— 和田 洋一 (@yoichiwada41411) 2015, 11月 20
Acer Z530、タッチパネルの精度とサクサク感は素晴らしいな。なのでカメラの画質だけが尚更惜しい感じ — XTV (@xtv183) 2015, 11月 18
MVNOへ乗り換え、Acer Liquid Z530 にして安いわ、快適だわで満足。前々機種の古い107SHへおサイフを引っ越しさせたのでZ530とBluetoothテザリング接続で復活。107SHはおサイフ、ワンセグ、赤外線を担当。
— pentarou (@pentarou_K) 2015, 11月 17
@highwaymovies Z530見てきましたけどかなりサクサクですねこれ。なんでこんなにサクサクなのかと思うほど。arrowsじゃなくてこっちかおうかなぁドコモのバンド28含めてフル対応してますし — かえざくら@サンクス消滅反対 (@kae_sakura) 2015, 11月 15
3万円以下ではベストバイに近い存在
3万円以下または3万円台のSIMフリースマホの市場は現在非常に競争の激しい市場になっています。定番のZenFoneシリーズやFREETEL 雅のように上手く宣伝で知名度を上げたスマホなどがそろっていますが、その中でZ530は十分に戦える性能を持っていると言えるでしょう。
特にブラウザのサクサク感は同価格帯でもトップクラスで、CPU以外にもメモリ性能の辺りでチューニングがうまく出来ているのを感じる出来です。スクロールやページの変遷などはハイエンドモデル並みに快適になっています。
3万円以下のSIMフリースマホとしてこの機種に興味を抱いていた人は、少なくとも今のところ目立ったバグや不具合も少ないため、その目利きの良さに自信を持って購入しても良いでしょう。スムーズな操作性という点においては価格帯以上の快適さなので、後悔することはまず少ないはずです。
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セットMVNOはmineoが無難か
多分このスマホを購入する人はMVNOの格安SIMで運用することになると思いますが、セットにして使う格安SIMとして現状オススメ出来るのはmineoのdocomoプランがベストになるでしょう。
やはり今現在MVNOとして精力的に運営している会社の中で、広告費ではなく回線のための設備投資に力を入れているのはmineoとIIJmioぐらいです。その他のMVNOは正直宣伝に力を入れすぎて回線速度や安定性への設備投資をサボっている印象があります。
この2つのMVNOの中でも最近のIIJmioはちょっとユーザーが増えすぎて速度がすぐに遅くなってしまう傾向にあるため、速度がMVNOにしては良い状態であるmineoが現状ではベストなセット格安SIMになるでしょう。
安くてサクサクなZ530と速度が良いmineoを組み合わせれば、非常に低コストで快適にネットの出来るスマートフォンを契約することが出来るでしょう。
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