前回のMVNOの特集において、IIJmioとその系列のDMM mobileについて、そしてまた別の種類でもあるOCNモバイルONEについて速度とその機能を解説していきました。
今回とりあげるMVNOはNifMoです。数記事前にプランの値下げについて触れましたが、その中で速度の猛烈な速さについても軽く触れました。今回はその速度についてもう一度触れると共に、機能やサービスについても特集したいと思います。
しかし何故このNifMoについて特集したかが気になるかもしれません。今までIIJmioとDMM mobile、OCNモバイルONEとメジャーどころを選んできましたが、NifMoはnifty株式会社の提供するまだ始まったばかりのMVNOです。それを何故まだメジャーどころのMVNOが残っている中で特集するのか、と感じることかもしれません。
NifMoを選んだ理由、それはこのMVNOはMVNEと言われる回線を貸し出している業者がOCNモバイルONEだからです。つまりNifMo自体はあまり名前を聞かないMVNOですが、OCNモバイルONEの回線を使った別のMVNOということで、IIJmioとDMM mobileと同じ共通点を持っているのです。
このため今回の記事を含めて直近の4つのMVNOの比較記事は、IIJ系統とOCN系統の比較という意味合いもあります。今回のNifMoも一つ参考にしてもらう形で、IIJ系統とOCN系統の格安SIMについての比較をこの4つの記事でしたいと思います。
NifMoのプラン
NifMoのプランは2015年2月からその内容が変わりました。これまで相場からかけ離れた高額な4GB、7GBプランを値下げしてようやく並の価格になってくれました。これによって契約で選べるプランが大幅に増えたことになります。
契約プラン | 2GBコース | 4GBコース | 7GBコース |
データプラン | 900円 | 1600円 | 2800円 |
音声オプション+データプラン | 1600円 | 2300円 | 3500円 |
契約手数料 | 3000円 | SMSオプション | 140円 |
音声オプション解約金 | 8000円(6ヶ月以内) | NifMo訪問レクチャー | 480円 |
通話料 | 30秒/20円 | 500MBチャージ | 900円 |
音声オプションは700円の追加で変わらないです。
プランにはこれといった特徴はありません。至って平均的な料金プランになりました。
あえて特徴をあげるとしたら、OCN系統で高速通信が可能なまま7GBのプランを用意している、ということでしょうか。OCNモバイルONEでは高速通信が出来る月極のコースは4GBまでしかありませんでした。7GBのコースは安いものの500kbpsへと制限されるものしかありません。それが同じ系統であるNifMoであれば高速通信をしたまま7GBを使えるプランが契約可能になります。
NifMoの独自で特徴的な機能
・NifMoバリュープログラム
NifMoではネットショッピングの利用と通信料を連携させた独自のサービス「NifMoバリュープログラム」を提供しています。
このサービスはNifMoユーザーしか利用出来ません。サービスの内容としては、NifMoのショッピングアプリから選べる特定のショップで商品を購入した場合、購入金額のうちの0.9%〜10%の還元がされるというものです。
この還元は全て通信料をマイナスしてくれる割引として還元されます。つまりショッピング量が増えて還元も多額にのぼるような場合には、NifMoの通信料自体は超低価格、理論上は0円まで落とすことも可能です。
ただその理論上0円を実践するには毎月数万円〜数十万円の買い物が必要なので、実際には200円〜400円ぐらいの割引が受けられる、ぐらいの感覚でいた方がいいでしょう。
こうした通信料と割引サービスが連動するようなDMM mobileぐらいで、NifMoと2社しかないのが現状です。
・NifMo Wi-Fiコネクト
NifMoでも無料で使えるパケットデータ節約が可能なWi-Fiスポットサービスが存在します。
Wi-Fiスポットとして使われるのはBBモバイルポイントです。提供ポイント自体はそんなに広くないため、あまり活発に使えるWi-Fiスポットではありませんが、公共機関の施設内ならばある程度利用できる頻度は上がることでしょう。
・NifMo訪問レクチャー
NifMoではスマートフォンをセットにした販売、いわゆる格安スマホの提供もしているのですが、その格安スマホ提供と連携してあるサポート系のオプションを用意しています。
それがNifMo訪問レクチャーです。
このサービスを利用することによって、なんとniftyのスマートフォン専門サポート員が自宅まで来て問題解決のためのレクチャーをしてくれます。格安スマホ系のサービスはアフターサポートが弱いという問題が存在していますが、NifMoではこのような自宅訪問という手厚いサービスを用意することで解決しようとしています。
ただ手厚いサービス故に金額はかなりかかってきます。月額だけで480円、しかもこの480円はかならず24ヶ月分支払わなければいけません。途中で解約した場合でも24ヶ月×480円分の合計11520円を支払う必要があります。
初回の訪問は60分間を無料で出来ますが、それ以降は延長料金がかかります。その後2回目以降の訪問には6500円が毎回かかってきます。便利なサービスである一方、何度も使えるような安いサービスでないのには注意が必要です。
NifMoの速度計測
このNifMoにはわかりやすい特徴があります。それは速度が速いということです。恐らくですが2015年1月現在ではMVNOの中では平均して最も速度が出るのはこのNifMoだと思っています。とにかく快適な速度で通信できます。
12時のNifMo速度
特に顕著なのが混雑時にも耐えうる速度です。IIJmio、DMM mobile、OCNモバイルONE、NifMoについては同じ日に速度を計測しているのですが、混雑時ではどの格安SIMも低速になってしまう傾向にありました。ところがNifMoでは12時という混雑時に、以下の様な超高速な結果をたたき出しています。
15時のNifMo速度
15時ごろでは帯域が塞がれるようなことはめったにないので、安定かつ高速な速度です。
21時のNifMo速度
21時頃ではOCNモバイルONEと同じ回線を使っているにも関わらず、差は大きく開いています。OCNでは1Mbpsちょっとしか出なかった速度も、NifMoでは10Mbps近い速度をこの時間帯でも出す力があります。
12時頃 | 15時頃 | 21時頃 | |
ダウンロード速度 | 7.31Mbps | 10.16Mbps | 9.24Mbps |
アップロード速度 | 0.33Mbps | 2.96Mbps | 2.48Mbps |
Ping | 87 | 57 | 68 |
速度では他のMVNO以上の結果を出しているのがNifMoです。細かい機能やサービスを比較するとOCNやIIJmioなどに劣りますが、ようやくプランが他社並みになったことで一気に使いやすさが増してきたかと思います。
速度を重視するならこのNifMo、今契約すべしdocomo系MVNOとしておススメ出来ます。
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