現在日本で発売されているSIMフリースマホ、あるいは海外で発売されているSIMフリースマホと呼ばれているスマートフォンは、SIMフリーといっても日本国内においては制限がされています。
その制限とはauの回線では3G通信が出来ないため、通話が出来ないという制限です。LTEのデータ通信自体は出来るのですが、3Gのデータ通信とそれに伴う音声通話は使っている規格が世界や日本で一般的に普及しているもの(WCDMA)と異なるもの(CDMA2000)をKDDIが採用しているため、使う事が出来なくなっています。
そのため、世に出ているSIMフリースマホを通話込みで利用できるのは、docomoとそのMVNO、そして周波数があえばSoftBankの回線とY!mobileの一部の回線だけということになります。auのSIMと回線ではSIMフリースマホでは通話が出来ず、周波数が一致した時だけデータ通信がLTE回線で出来るという制限されたものになってしまいます。
日本においてSIMロック解除の義務化が話題になっていますが、このようにauの3G規格が違うという問題から、実はあまり効果のない内容になっているというのが有識者の方々の見解です。
SIMフリースマホではauの回線はろくに使い物にならないのですが、実は一部のスマホに限ってauの3G回線は使えて通話も出来るのに、SIMフリースマホとしてdocomoやSoftBankの回線も使える機種があります。その特殊な機種について今回は話題にしてみたいと思います。
LGL22、23、24はSIMフリー化が可能
auの通話回線が使えるSIMフリースマホというのはどういうものでしょうか。auの3G回線と通話は非常に特殊な規格と仕様をしており、世界中でauのスマホしか対応していないと言っても過言ではありません。そのため、auの3G回線と通話が出来るスマートフォンを手に入れたい場合は、auから発売しているスマートフォンをSIMフリー化することが唯一の方法だと思います。
そしてそうしたauから発売されたスマートフォンの中で、SIMフリー化が出来るものというのがいくつか発売されており、これらを利用すればau回線の使えるSIMフリースマホというものを作ることが出来ます。
auから発売されているスマートフォンの中で、SIMフリー化出来るものはおおまかに言って3種類です。GALAXY、Xperia、LGスマホの3つです。この中で最もSIMフリー化が簡単なのはLGスマホです。GALAXYもXperiaもスマホ初心者には高度な操作が必要になり、GALAXYに至っては一部の機種でこのSIMフリー化の方法をアップデートで塞いだりと難しさが付いてきます。一方でLGのスマホは簡単にSIMフリー化することが出来るため、初心者の方でも簡単に実現可能だと思います。
LGスマホでは型番で言うとLGL21,22,23,24がSIMロック解除が可能でauも使えるSIMフリースマホに出来ます。この内LGL21は対応周波数が少ないためあまり有効性はありません。実用性があるのはLGL22,23.24の3つになるでしょう。
オススメはLGL22
この3つともSIMロック解除の方法は同じです。その方法は後ほど解説するとして、この3機種の中からどれがお勧めなのかをまずは結論づけてしまいましょう。
お勧めなのはLGL22です。その理由はサクサク操作が可能でハイスペック、それでいて安いからです。LGL23,24のほうが後から発売されたスマホでそちらのほうが新しいのですが、LGL23は曲面スマホと呼ばれるLGの挑戦的なスマホの一つで、常用するにはかなり人を選びます。LGL24はLGL22の正当後継機種として更にスペックアップを果たしたスマホです。ただこのスペックアップが中途半端になってしまい、2Kという高解像度ディスプレイを使いながら2GB RAMという必要充分ではないスペックに留まっています。2GB RAMでは2Kディスプレイの高負荷に耐えることが出来ず、常にRAM不足に陥ってしまい操作全般がカクカクしてしまう原因になっています。
こうした理由からも最も安定して使えるのはLGL22という結論に個人的にはなります。LGL24ももちろんいいのですが、LGL22とそれほどスペックが変わらないにも関わらず、動作の重さが気になってしまいます。LGL22は1年以上前のスマホですが、Snapdragon 800のハイエンドCPUを使っていますので、まず殆どの用途で快適に使うことが出来ます。
SIMロック解除はコード入力のみで完了
SIMロック解除してSIMフリースマホ化する方法は全てのLGLスマホで共通のやり方になっています。ヤフオクや海外サイト(例えばsim-unlock.net)などでNCKコードを購入して、そのコードを本体から直接入力することで使えるようになります。
詳しい内容は既に別サイトで解説されているのでそこを御覧ください。
docomo回線で音声通話はイジる必要あり
この方法を取ることで簡単にauの通話回線が使えるSIMフリースマホを手に入れることが出来ます。これでdocomoやSoftBank、そしてそのMVNOの格安SIMで使うことが可能になります。
ただこれによってauの回線が使えるSIMフリースマホが出来ましたが、docomoやSoftBankの音声通話が正常に利用できない不具合がこのままだと起きてしまいます。その解決にはLGLシリーズの内部をイジる必要があります。そのためにはroot化などの作業が必要なため、docomoのMVNOなどで音声通話を使いたい人にはまた1段ハードルが上がります。
もしも簡単な作業だけでSIMフリー化をしたい場合には、au以外の回線で使うときはデータ通信のみの利用に制限されることを覚悟しておいたほうがいいでしょう。そのため必然的にこのスマホを常用するときは2台持ちになるかと思います。
ただ2台持ちのデータ専用スマホとしては破格の安さで本体を購入できてしまうので、単純なMVNO向けスマートフォンとしてもdocomoとau2つの格安SIMで運用できてしまうため、LGL22は非常にお勧めできます。
何か適当に安い白ロムを探していたという方にはLGL22の価格と性能、そして完璧に近いSIMフリー状態というのは、長く使えてどんな使い方でも対応しやすい一つの答えかと思われます。
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